2022.10.31
キャベツ畑で見つけたアオムシが蛹になりました。
「先生、見て見て、さなぎになってるよ」
「これはモンシロチョウだね」と年中の子供たちは虫かごを見て大興奮です。
一方ちょっと浮かない顔の子もいます。
以前、ツマグロヒョウモンを捕まえた時に、虫かごで観察していましたが、少しずつ羽がもろくなり飛べなくなってしまった経験があるからです。
「どうしたら長生きできるのかな?」
「逃がしてあげたほうがいいのかな?」という言葉が子供たちから聞こえてきます。
でも、自分たちが育てた蛹が蝶になることを嬉しく思い、蝶になってからも大事にしていきたいという気持ちも子供たちにはあります。
どうしたらいいのだろう?子供たちは考えます。
するとモンシロチョウの絵本に、蝶が長生きできる方法が書いてありました。
「大きな虫かごで育てられるんだって」「この本に載っているよ」
絵本には、「1メートル四方の容器であれば、数日間は飼育可能」というようなことが書かれていました。
「育てたいけどこんな大きなケースないよ」という子供たちの言葉に、「作ってみる?」と教師は言葉をかけます。「え?作れるの?」子供たちは目を輝かせて反応します。
そこから蝶の家作りプロジェクトが始まりました。今まで触ったこともない道具に「なんだ、なんだ」とたくさんの子供たちが集まってきます。
「ここをね、こうするんだよ」と後から来た子に釘の打ち方を教えたり、
「倒れないように持っててあげる」と形が崩れないように木を支えたり、
子供同士の自然な関わりがたくさん生まれています。
生き物との関わりや、友達との言葉の伝え合いの中で、相手がどうしたいのか、どんなことを思っているのか、という他者の感情に触れる機会も増えてきています。そんな経験を繰り返していくことで、少しずつ友達の気持ちに気付いたり、生き物の気持ちを考えたりすることができるようになり、「相手を思いやる心」が育っていくのだと思います。
他者の感情に触れる機会が多くなる年中児のこの時期。
子供たちの姿を丁寧に見取り、一人一人の文脈に寄り添っていきたいと思います。