協調学習について


 協調学習とは,一般的に複数の学習者が意見を交換し,協力し合いながら解を導こうとするという学習形態のことである。
 協調学習には,次のような教育的効果が期待できる。
  1. 社会的刺激による学習の動機付け
     他者からの社会的刺激(他の学習者の存在を意識した上での反発,同調,あるいは競争心)により,学習の動機となる。
  2. 学習形態の多様性
     個別学習環境における学習範囲が,自らの能力や与えられた環境に依存するのに対し,協調学習環境は他者の持つ知識を利用することになるので,より広範囲な学習範囲及ぶことになる。
  3. 社会的相互作用による学習
     他者とのさまざまな議論の展開を経験する過程で,知識の価値,使い方の学習もでき,さらに,討論を通じて理論的思考を深めることもできる。
  4. 学習者の知識の洗練化
     自己の内部の理解状態を他者への説明の際に外化することにより,それがフィードバックされ,内部の理解状態も強化される。また他者の誤りを診断する過程で,その誤り原因を自己のものとして取り込むことができ,理解を深めることができる。
岡本敏雄 編著
「インターネット時代の教育情報工学1(ニューパラダイム編)」より引用
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