知的学習システム/CAIに関する研究
研究の概要
本研究室では,学習者が,システムに働きかけ,システムがそれにこたえることによって,学習が進んでいくような環境型学習システムの構築をおこなっています。特に,演習問題における誤りを学習者自らが訂正できるように導く教授法を提案し,教授法の有効性を示すために学習システムの構築を進めています。
実際の運用を考えると,パーソナルコンピュータ上のシステムが望まれると考えています。1994年度までに,MS-DOS上のシステムの構築と評価実験をおこない,1995年度には,マルチウィンドウ環境でのシステムの構築をおこないました。構築時の使用言語は,Turbo C++for Windowsであり,構築されたシステムはWindows3.1のみならず,Windows95上での動作も確認しています。
1996年度は,すでに構築した環境型学習システムの学習者モデルをシステム本体から切り放し,OSのネットワーク機能を利用して,複数の学習者が複数のシステムを利用する場合の学習者モデルの一元的管理を目指しました。
この研究テーマに関しては1997年度も継続して検討していく予定です。
学習システムの概要
ネットワーク機能を利用した環境型学習システムの基本構成を以下に示します。
次に,システムの構成要素について説明します。本システムは,環境型学習システム(システム本体)とネットワークで接続された学習モデルサブシステムの二つの部分から構成されます。
(1)環境型学習システム
- 提示画面サブシステム 学習者に対して提示する画面を作成する関数群より構成されています。
- システム制御モジュール システム全体を統括し,学習者の理解に合わせた学習画面の順序を決定します。
- 入力判断ユニット 学習者からの入力をシステム制御モジュールと学習履歴データベースに振り分ける働きをします。
(2)学習者モデルサブシステム
- 学習履歴データベース 学習者が学習を進めるに従って,その学習履歴を蓄える部分です。蓄えられるデータは,各画面の学習時間やヘルプ機能利用時の入力内容,設問の回答番号などであり,学習者モデル構築の際の基礎データとして用いる予定です。
- 学習者診断モジュール 予備実験によって蓄えられた学習履歴データベースのデータをもとにして,学習診断プログラムを作成しています。現在のところ,設問回答時の誤答の原因の診断や学習時間の長さなどから学習状態を診断していますが,検討の余地は多いと考えています。
- 学習者モデル管理モジュール 学習履歴や学習診断結果をもとにして,学習者モデルの更新や学習診断情報の作成をおこなう部分です。
なお,学習の対象分野は「半導体について」としています。教材としては,半導体の基本的な性質を扱う「基礎編」,およびダイオードやトランジスタの性質などを扱う「応用編」を用意しています。他の「○○編」や他の領域についても検討していく予定です。
ここでは,「環境型学習システムに関する研究」の現況や研究成果について紹介する予定です。
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Last Updated 04/02/1997