感性情報処理に関する研究

研究の概要

 本研究室では,「観光案内支援」「家具配置支援」「作曲支援」といった人間の知的活動を支援するシステムの構築を通して,感性情報の取り扱いを検討してきました。1996年度以降は,卒業研究のテーマとなっていませんが,今後も積極的に取り組んでいきたいテーマのうちのひとつです。


観光案内支援

 ユーザの指示に従った観光スポットと経路決定を支援するシステムの構築の試みをおこなっています。ユーザに合った観光場所を決定するための重みづけのために「感性パラメータ」を提案しています。


家具配置支援

 閉じた空間内にどのように家具を配置すればよいかをユーザが決めるために,段階をおって支援してくれるシステムを構築しています。支援は3つのステージからなります。各ステージでの推論は,ユーザの配置案に対して「物理配置判断部」「機能配置判断部」「感性配置判断部」の3つの判断部において,順次判断されます。
 ユーザの指示する配置が物理的に可能かどうかを物理配置判断部でおこない,机の引き出しなどの家具の機能が十分利用可能どうかの判断を機能配置判断部でおこないます。さらに,ユーザの最終案に対して,感性的な判断を感性配置判断部においておこないます。ここでは,部屋全体における家具の配置のバランス,家具やカーテンの色などに対して,感性的な用語を用いたメッセージを出力します。


作曲支援

 人間のリズムの漢字方を重視し,ユーザの好みの作曲を支援するシステムの構築をめざしています。
 まず,音の高さを一定としたリズムだけからなる2〜3小節のリズムデータを作成します。リズムは,中学校の音楽の教科書より,「さび」であると思われる箇所を抽出します。
 次に,被験者にそれらのリズムを聴かせることで「明るい-暗い」「せわしい-のんびり」など4項目について,5段階評価のSD法を用いて実験をおこない,リズムデータを分類します。
 さらに,教科書の中ににあらわれる音の遷移の状態を調べ,リズムに対して,音の高さをつけるために用います。
 本研究では,作曲システムを「小節生成サブシステム」と「フレーズ構成サブシステム」の二つのサブシステムとして構築しています。


ここでは,上記システムの基本構成や出力例などを紹介していく予定です。
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Last Updated 04/02/1997