形状の概念をあらわす「言葉」を用いて形状表現をおこなう試みです。応用例として,「地図地形情報処理」や「屋内環境認識」があげられます。
七つの言葉を用います。計算機で処理しやすいように,言葉に対してラベルを対応させます。言葉とラベルとの対応を表1に示します。
言葉 | ラベル | |
山頂 (the top of the mountain) | TOP | |
尾根線上の点 (a point of the ridge) | RID | |
斜面上の点 (a point of the slope) | SLO | |
鞍点 (a point of the saddle) | SAD | |
谷線上の点 (a point of the valley) | VAL | |
底点 (the bottom of the valley) | BOT | |
平面上の点 (a point of the plane) | PLA |
さらに,対象となる点の評価値を周囲4方向の評価値と比較します。そして,評価値の大きい方から,小さい方へ矢印をつけます。このようにして,各ラベルに対して矢印をつけたものが,図1です。
たとえば,地形図を一定間隔のメッシュ状に区切り,その格子点の高さを周囲4方向と比較することでラベルづけをおこなえば,「ラベル表現された地形図」ができるわけです。このときの評価値は,「高さ」になります。同一ラベルをグループ化して,「クラスタ」とすれば,「クラスタ表現された地形図」になります。
また,三次元環境から,距離値を取得することで,被測定点にラベルをつければ,「ラベル表現された環境」ができあがります。このときの評価値は,「距離値」です。さらに,「クラスタ表現された環境」を作成し,あらかじめ作成しておいた「環境モデル」とパターンマッチングをおこなうことで「環境認識」ができます。