福井大学教育地域科学部 田中美吏研究室      Sport Psychology & Human Motor Control/Learning Lab.
研究室ゼミ
担当授業

福井大学大学院教育学研究科(修士課程)

【教科教育専攻保健体育教育領域】
 体育学特論T(1年生以上・前期)
 体育学演習T(1年生以上・後期)
【学校教育専攻】
 生涯スポーツ研究(1年生以上・後期)


福井大学教育地域科学部

【地域科学課程 人間文化領域専門科目(生涯学習系科目群)】
 生涯スポーツ論(1年生以上・後期)        ※社会教育主事資格関連科目
 生涯スポーツとフィットネス(2年生以上・後期) ※社会教育主事資格関連科目、隔年開催(奇数年)
 生涯スポーツ論特講(2年生以上・前期)     ※隔年開催(偶数年)、2016年度より開講
 人間健康科学研究T(2年以上・後期)
 人間健康科学研究U(3年以上・前期)
 人間健康科学研究V(3年以上・後期)
 人間健康科学研究W(4年・前期)

【地域科学課程 地域課題ワークショップ科目】
 地域課題ワークショップT(入門)(1年以上・前期)  ※必修、今年度は担当なし
 地域課題ワークショップU(基礎)(2年以上・前期)  ※必修
 地域課題ワークショップU(基礎)(1年以上・後期)  ※必修
 地域課題ワークショップV(応用A)(3年以上・前期) ※必修
 地域課題ワークショップV(応用B)(3年以上・後期) ※必修
 地域課題ワークショップW(総合A)(4年・前期)    ※必修
 地域課題ワークショップW(総合B)(4年・後期)    ※必修

【地域科学課程 地域課題基礎科目】
 地域における生涯学習(1年以上・前期) ※オムニバス形式の2回を担当

【学校教育課程 教科専門科目】
 体育心理学(1年以上・前期)      ※隔年開催(偶数年)
 スポーツ心理学演習(2年以上・前期) ※隔年開催(奇数年)


福井大学共通教育センター

【基礎教育科目】
体育(サッカー)(1年以上・前期) ※必修

【共通教養・副専攻科目】
 健康スポーツ指導の理論と実際(1年以上・後期) ※A群第2分野「人間」/スポーツと健康の科学系


地域課題ワークショップ(基礎)の紹介

私が担当の生涯学習系ワークショップでは、「スポーツ科学」「生涯スポーツ」「地域スポーツ」「スポーツ心理学」をキーワードにグループワーク形式でワークショップを進めます。学生が主体となり半期に渡って、テーマ設定、情報収集、インタビュー調査、アンケート調査、実験、データ解析、プレゼンテーションの準備と練習、反省会等を行っていきます。生涯学習系全体の最終発表会で、半期に渡って取り組んだことを分かりやすく、より多くの人に興味を引いてもらえるように説明することを大きな目標としています。以下が、これまでのワークショップにおけるテーマと内容になります。

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<平成25年度後期>
テーマ:スポーツとメンタル
メンバー:漆崎一樹、中林泰志、中村遼太郎、林 広樹、松井詩歩
内 容:メンバーのこれまでのスポーツ経験を基に、なぜ人はプレッシャーを感じるのだろうかという疑問が今回のワークショップのテーマ設定のスタートでした。まずはプレッシャーについてみんながどのように考えているのかを知るために、福井大学生72名を対象に、これまでにプレッシャーを感じた経験があるか、プレッシャーに強いかどうか、プレッシャーは良いものか悪いものか、プレッシャーの対処法に関する質問紙調査を実施しました。調査の結果、やはりプレッシャーを感じた経験のある学生が多く、プレッシャーに弱いと回答する人の割合も多いものでした。しかしながらこのような人においてもプレッシャーは良いものだと答える人も多く、プレッシャーの捉え方に関しては決して人それぞれでした。この調査を基にプレッシャーの捉え方には個人差があるのではないか、また捉え方次第でスポーツのパフォーマンスにも良い影響が出るのではと感じ、専門家へのインタビューを実施しました。そこで福井県内を中心に長年、スポーツメンタルトレーナーとして多くのスポーツ選手のメンタル面をサポートしている勝木豊成先生をお招きし、3時間以上にわたるインタビューを行い、そのなかで様々なレクチャーも受けることができました。勝木先生の話のなかで印象に残ったことは「認知行動療法」と呼ばれるもので、同じことに対しても考え方次第で、良くも悪く捉えることができ、それに伴って行動やパフォーマンスが変わってくるということでした。また「前後際断(ぜんごさいだん)」という言葉も学生の心に響いたようで「過去や未来にとらわれず、現在のことを考えて行動する」ことの大切さを知りました。これらのワークショップ内での調査やインタビューをまとめ、最終発表会ではプレゼンテーションを行い、最後にこれまでの各自の経験や今後のプレッシャーへの対処に対する感想を述べました。以下は勝木先生へのインタビューの様子になります。

11月29日(金)に、スポーツメンタルトレーナーとして活躍されている勝木豊成先生を招き、テーマに関するインタビューを実施しました。約3時間に渡って、貴重なお話を伺うことができました。伺った内容を最終プレゼンテーションにうまく反映したいところです。ご足労ならびに貴重なお時間とお話をいただいた勝木先生にこの場を借りて御礼申し上げます。

ヒアリングの様子の写真

お話しを伺った勝木先生   実験室にてヒアリング     研究室にてDVDを使用しての実践解説

<平成25年度前期>
テーマ:サラバ、謎多きスランプたちよ
メンバー:市川友理、茶谷映月、坪田唯香、松田 凌、八杉華愛、吉田拓哉
内 容:スポーツ心理学に興味を抱いた6人のメンバーでグループが構成され、話し合いの中で6人のメンバーのこれまでのスポーツ経験を基に、スランプについての話題が挙がりました。そもそもスランプとは何なのかという疑問からスタートし、「スランプ」を本ワークショップのテーマに設定しました。4月から5月にかけては、文献調査をもとに運動学習のプラトー(高原現象)を知り、プラトーとスランプの違いを先ず把握し、その後に大学生150名を対象に@スポーツ経験、Aスランプ経験、Bスランプの期間、Cスランプの症状、Dスランプの原因と克服法に関するアンケート調査を実施しました。調査結果を分析してみると、男性の方が女性よりもスランプを経験したと回答する割合が多く、さらにはスランプの期間も長いという興味深い結果が得られました。このことが本当か否かをさらに深く調べるために、6月以降は県内の中学校および高校の部活動(硬式テニス、男子バドミントン、陸上、女子バレー、ボクシング)の指導者5名に協力をいただき、@スランプについての男女差、Aスランプの克服法、B指導者から見たスランプとは何かについてインタビュー調査を実施しました。中には、現在の高校生日本一の選手を輩出している指導者も含まれました。インタビューの結果は、5名の指導者とも@〜Bの質問に対する考えは様々であり、スランプに対する一様な捉え方を発見するには至りませんでした。裏を返せば、スランプは非常に個別性の高い現象であり、対処や克服も個別性を考慮して対応することの必要性を感じることができました。4か月かけて調査したこれらの内容を、最終週に約15分間プレゼンテーションし、複数の先生から高評価を得ました。
(インタビューやアンケートに親切に協力いただいた中学・高校における部活動顧問の先生方、ならびに福井大学教育地域科学部の学生の皆々様、誠にありがとうございました。)


質疑応答に応える6名(左から八杉さん、坪田さん、市川さん、茶谷さん、松田くん、吉田くん)

<平成24年度後期>
テーマ:2018年福井国体
内 容:福井のスポーツイベントについて調べていくなかで、2018年に福井県にて開催される福井国体(新国体)に大きな関心を抱きました。まず情報収集として、国体とな何か?、なぜ開催されるのか?、さらには昭和43年に開催された福井国体(旧国体)について調べました。新国体に関する情報は非常に少なかったため、フィールドワークとして福井県立美術館における福井国体のパネル展への参加や、福井県庁の新国体推進課に伺い、国体開催のメリットとデメリット、現段階での準備状況や問題点などのインタビューを実施しました。また福井大学の学生を対象に、新国体の認知度に関するアンケート調査を行う中で、現段階では認知度が非常に低いという問題が浮き彫りになりました。少しでも新国体について知ってもらいたいという意向から、カラーA4サイズ1枚の新国体宣伝ポスターを作成し、最終発表会のプレゼンテーション時に参加者全員にそのポスターを配布しました。新国体のマスコットキャラクターの公募も始まったため、学生が考案したキャラクターの応募もしたようです。
(インタビューやアンケートに親切に協力いただいた福井県新国体推進課や福井大学教育地域科学部の皆々様、誠にありがとうございました。)

<平成24年度前期>
テーマ:子供の体力の現状
内 容:メディア等を通じて子供の体力低下をよく耳にしますが、福井県の小中学生に関しては体力テストで常に全国上位にいます。この矛盾を背景に、福井県の小学生の体力の現状を調べ、今後の体育教育やスポーツ活動への提案を行うことを目的としたワークショップに取り組みました。県内外の小学生体力テストにおける昨今の成績調べや、福井県教育庁スポーツ保健課や近隣小学校の先生へのインタビュー調査、近隣小学校児童に対するアンケート調査を通して、@20年以上前に比べると福井県においても体力は低下傾向にあるが、近年に関しては横ばいであること、A体力テストが上位の背景として、各小学校において休み時間や放課後を利用し規則的に運動を実施する取り組みがあること、県が体力向上のために各学校と連携して力を入れていること、B小学校低学年ではスポーツ好きの児童がとても多いが、高学年になるにつれて減少していくことなどが明らかになりました。体力向上をさらに図るためには、小学校高学年になってからのスポーツ嫌いを減らすことの必要性が考えられました。
(インタビューやアンケートに親切に協力いただいた福井県教育庁スポーツ保健課や福井市立春山小学校の皆々様、誠にありがとうございました。)