<Amazonの購入ページへリンク>
<NAP Limitedの購入ページへリンク>
|
田中美吏研究室の教育研究活動、地域貢献活動を紹介するページです。
お知らせ |
□「最近読んだ論文や本の紹介」(このページを下にスクロール)を更新しました。(2015年3月31日更新)
□「研究室ゼミ」ページを更新しました。当ゼミの3年生8名とともに支援した鯖江市スポーツ少年団母集団育成研修会の模様をUPしました。(2015年3月22日更新)
|
研究関連のニュース |
□3月1日(日)・2日(月)に琉球大学にて開催された日本運動学習研究会(JMLS)に参加し研究発表を行いました。発表の様子や参加者全員での集合写真をUPします。
発表題目「心的動揺に対する姿勢制御機能」(田中美吏・霜 辰徳・野坂祐介・関屋昂樹(県立広島大学)・島谷康司(県立広島大学)
□12月7日(日)に開催された今年度の日本スポーツ心理学会総会(大阪体育大学にて)において、共同研究者として携わった論文が平成26年度日本スポーツ心理学会最優秀論文賞を受賞しました。関係者各位に御礼申し上げます。
<受賞論文>
田中ゆふ(近畿大学)・関矢寛史(広島大学)・田中美吏(2013)投球動作前の確率情報を伴う球種予測に顕在的・潜在的知覚トレーニングが及ぼす影響.スポーツ心理学研究,第40巻2号,109-124.
<J-STAGEにおける公開ページにリンク>
<このホームページ内における受賞論文の概要紹介ページにジャンプ>
過去の履歴
|
最近読んだ論文や本の紹介 |
2015年3月31日(火) No.88
Tenenbaum, G., Basevitch, I., Gershgoren, L., & Filho, E. (2013). Emotions-dicision-making
in sports: Theoretical conceptualization and experimental evidence. International
Journal of Sport and Exercise Psychology, 11, 151-168. doi: 10.1080/1612197X.2013.773687
<コメント>タイトルにもあるようにスポーツにおける感情と意思決定に関する基本概念を提示している総説論文になります。スポーツのパフォーマンスを評価するにあたって感情や意志決定とのリンクを複合的に考慮する必要性が提案されており、これまでの私の研究内容の背景にとてもフィットした考えであるように思いました。個人のパフォーマンスだけではなく、チームのパフォーマンスに対しても感情や意志決定が関与することについても多くのページを割いて説明がなされており、今後の研究の必要性が提案されています。Figure1に書かれている概念モデルや、Figure2に書かれている覚醒と心理状態(ゾーン)の度合からパフォーマンスを予想する確率モデルも参考になりました。
2015年2月23日(月) No.87
Adkin, A.L., Frank, A.S., Carpenter, M.G., & Peysar, G.W. (2000). Postural
control is scaled to level of postural threat. Gait and Posture, 12, 87-93.
<コメント>今現在当研究室にて、心理的プレッシャーによって姿勢制御機能がどのような影響を受けるのかについて調べる実験に取り組んでいます。スポーツ選手の経験則から考えると、プレッシャーの影響でバランス機能が崩れ、その崩れがスキルに作用し、ミスやエラーが起こるということがあるように感じ、このような現象の真否を実験的に少しずつ明らかにしていきたいという思いから実施しています。このような研究は国内外の学術論文を探しても非常に少なく、ひとつずつ研究を蓄積していく必要性を感じています。この研究を実施するにあたって、注意焦点や高所不安という心理的変化による姿勢制御の機能変化を調べる研究は非常に多く行われているため、この手の論文を読み進めており、今回の紹介論文がそれらのなかの一つになります。両足開眼立位でただ単に立つ時の足圧中心(COP)を測定し、COPの前後方向と左右方向の揺れの大きさや、周波数解析によるCOPの前後方向と左右方向の揺れの細かさを調べている実験になります。低所(40cm)、中所(100cm)、高所(160cm)の3条件で測定が行われており、高所になるほど、左右方向と前後方ともに揺れが小さくなり、揺れの周波数も微細になり細かな姿勢の調整が行われているという分かりやすい結果が得られています。
過去の履歴
D2015年1月〜
C2014年7月〜12月
B2014年1月〜6月
A2013年7〜12月
@2013年2〜6月
|
本研究室の最近の業績紹介(共同研究や共同執筆も含む) |
【原著論文】 Tannaka, Y., Funase, K., Sekiya, H., Sasaki, J., & Tanaka, Y.M. (2014). Psychological pressure facilitates corticospinal excitability: Motor preparation processes and EMG activity in a choice reaction task. International Journal of Sport and Exercise Psychology, 12, 287-301. doi: 10.1080/1612197X.2014.91633
<コメント>経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いることで、大脳の一次運動野から錘体路、脊髄を経由して筋に至るまでの皮質脊髄路の興奮性を評価できます。当研究室のこれまでの実験では、心理的プレッシャーによって皮質脊髄路の興奮性が増大することを明らかにしてきました。しかしながら、これまでの実験では運動課題を実施している最中に皮質脊髄路の興奮性を評価してきたため、筋活動の発生による感覚入力の影響を除外できていないという問題を有していました。この実験では、この問題を除外したうえで、プレッシャーが皮質脊髄路の興奮性に及ぼす影響を調べるために、選択反応課題(Go/Nogo課題)を用いて警告信号と反応信号の間の2秒における運動準備時の筋活動が生じていない状態における皮質脊髄路の興奮性を調べました。結果として、右手示指の外転運動に対して共同筋として働く母子外転筋(APB)に限定的ではありますが、反応時間のパフォーマンスに対して報酬や罰が与えられるプレッシャーによって皮質脊髄路の興奮性が増大することが示されました。また反応課題における主動筋である第一背側骨間筋(FDI)と共同筋のAPBにおいて、反応時に出現する筋放電の増大もプレッシャー下で生じました。プレッシャーによって筋活動が増大することも多くの先行研究で明らかになっていますが、プレッシャー下で運動課題を行う際の中枢神経(脳から脊髄)と末梢神経(筋)の活動の亢進は独立的に生じることを示した点がこの研究の結果のオリジナリティーになります。これらの結果を基に、考察の最後では、「あがり」(プレッシャー下でのパフォーマンスの低下)の対処法として、中枢神経や筋の活動を抑制させるアプローチに可能性や魅力があり、今後の「あがり」研究では中枢神経活動や筋活動を抑制させるという切り口の対処法を提案する研究の進展が期待されることを書いています。
【共同執筆翻訳書】
長谷川 博・山本利春監訳.リカバリーの科学:スポーツパフォーマンス向上のための最新情報.ナップ有限会社:東京.<Hausswirth, C., & Mujika, I. (eds.) (2013).
Recovery for performance in sport. Champaign, IL: Human Kinetics.>
<コメント>アスリートのリカバリーに対して、生理、環境、リハビリなどの主要なテーマに幅広く基礎理論や実践応用の情報が得られる優良な翻訳書になります。競技スポーツにおける実力発揮や目標達成に対して、スポーツ選手、スポーツ指導者、フィジカルトレーナー、アスレティックトレーナー、メンタルトレーナー、理学療法士などなどの多くのスポーツ関係者に有益となる一冊のように思います。心理面に関する章も1つあり(第5章「リカバリーの心理的側面」)、その章の翻訳を担当しました。その章では、リカバリーを測定するための心理検査や、バーンアウトや動機づけの関与などが書かれています。
過去の履歴
|
|
|